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僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第八話:ドリームトレイン

出発の朝は、あいにくの曇り空だった。風がないのがせめてもの救い、しかし首元をマフラーなどで隠さないと背筋に寒気が走りそうな、そんな陽気だった。 集合場所はなぜか大学の校門前。先生が言うには『ここからド ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第七話:ドリームランド

数分もしないうちに、一人の女性がひょいと顔を出した。先生が嬉しそうな笑みを浮かべたので、きっとこの人が先ほどの電話の主なんだろう。 それにしても先生、結構キレイな女性をはべらせていらっしゃるようですね ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第六話:サイゼリアだって大学生には贅沢

「みんなに紹介しよう。僕の助手の伊狩くんだ。まあ助手って言っても、研究室をもっていないから、お手伝いさんみたいなものだと思ってくれると分かりやすいかもしれない」 「先生! それはメイドってことですか! ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第五話:刑務所と学校は同じ原理だ

「先生、俺、旅に出ることにしました」 決意を固めてから一週間が過ぎた。その間に、三上さんを誘い、池田氏を誘い、浦町を説得してまわった。 面白かったのは、皆が口を揃えて同じことを言ったところである。 『 ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第四話:混乱と決意、たかが旅なのに

駅のホームで一人、考え事をしようとしてもまったくまとまらない。先生との会話でここまで頭の中がぐちゃぐちゃになったのは、実は初めてのことであるように思う。いろいろ面白い話を聞いて、興味深い知識に触れて楽 ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第三話:プロレタリア旅

「ああ、平岡くんに三上さん。二人で一緒に教室へ入ってくるなんて、珍しいね」 六限がはじまる十八時ぴったりに三上さんと教室へ入ると、教壇の前には前島の姿があった。長い髪を後ろで束ねて、キャスケット帽子を ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

「僕たちは歩いてゆく。」第二話:イメージは固定概念化される

二人が学食に着いた時、ちょうど五限に向かう学生たちが、ばらばらと店から出てくるところだった。 「意外といい時間かもな」 「そうかもしれんね。ご飯食べるんやったら、早めに頼まないと混んじゃうかも!」 俺 ...

僕たちは歩いてゆく。 長編小説

【長編小説】「僕たちは歩いてゆく。」第一話:秋の日

俗に言われる『旅に馳せる思い』というものは、少なくとも一元化された観念ではなく、しかし個々に依るものではないという事実は、いかようにして形成され、数多の誤解と裏切りと快楽を生みだしてきたのだろう。 そ ...

短編小説

【短編小説】新緑の夕暮れ

2018/06/01   -短編小説

ふと立ち止まって空を仰ぐと、隠れゆく淡い夕日が、冷たい鉄塔を暗く照らし始めていた。 子供たちの笑い声が響く昼の喧騒は、空の陰りと伸びる影に合わせて去っていった。 そよぐ芝は光を受けて寂しく寝そべってい ...

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小説創作アレコレ

物書きでも法律は知っておきたいよね~医療広告ガイドライン~

2018/05/31   -小説創作アレコレ

こんにちは、久遠寺蒼です。 復活して早々、いきなりなんかすごいタイトル(!?)で始まりましたが……すいません(´・ω・`) 小説を書いている人にとって、自分の作品について多くの批評をもらうことがあると ...

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