■『HANEMAI MAGAZINE』通称『はねまが』は
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|| <久遠寺蒼の呟き>
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■こんにちは、久遠寺です。
大変ご無沙汰しておりました。
申し訳ありません。
卒業論文を筆頭に、
能楽の発表会準備など
思うようにインターネットを
できる環境がありませんでした。
すべて一段落しまして、
これからはまた週一程度のペースで
配信をしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
|| <今回のトピック>
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◎文章とケータイ小説
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◎文章とケータイ小説
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■『恋空』をご存知ですか?
そうです。
今映画化もされて大ヒットをしている
ケータイ小説です。
書き手は美嘉さんという23歳の女性だそうです。
二つしか違わないのかあ、としみじみしたりしました(笑)
◇ちなみに美嘉さんのホームページ、
アクセスヒットが2500万人を超えたそうです。
これはすごいことですよね。
一割でいいので、
訪問者を分けてほしいですね!!(笑)
◇私も試しに『恋空』を読もうとしてみました。
4ページ目で挫折しました(泣)
読めなかったのです。
『飽きた』というのが分かりやすいかもしれません。
■なぜ読めなかったのでしょうか。
携帯を閉じてから考えてみました。
そこには、
文章とケータイ小説の違いがありました。
文章が上手下手という違いではありません。
書き方として、読ませ方として、
文章とケータイ小説はまったく異なっているのです。
だから、
文章を読むつもりでケータイ小説を読もうとしても、
読めるはずがないのです。
◇今回使う『文章』とは、
ハードカバーや単行本で出版されたりするような
小説を指します。
■文章とケータイ小説には、
いくつかの違いがあります。
今回は大きな違い3つを紹介します。
●PC・本と携帯電話
●作品の魅せ方
●読者層
●PC・本と携帯電話
まず、
文字を載せる媒体の違う点に
注意しなくてはいけません。
携帯電話はご存知の通り、
ネットの通信速度はあまり速くありません。
ですから、PCに比べて、
一回に表示できる文字数は決して多くありません。
実際、
いくつかケータイ小説投稿サイトを回ってみたところ、
一回の投稿は500文字~2000文字程度、
と制限しているところがほとんどでした。
これは、ケータイ小説がどちらかというと
テンポを重視した作風が多いからかもしれません。
制限されているからこそ
テンポが早くなっているのかもしれませんが。
◇この制限があることはどういうことかというと、
描写に使用できる文字が制限される、ということです。
PCや本では、
そこまで規制はありませんので、
自分の思ったような表現ができます。
しかしケータイ小説では
字数制限があるため、
描写や一文も短くしなくては収まりません。
ここにまず注目しましょう。
●作品の魅せ方
文章では、
例えば言葉の選び方、
巧みなトリック、
文章表現を使うことによって、
読者を作品の中に取り込みます。
ケータイ小説では、
読者の共感できる内容
共通の話題
話し方などによって、
読者を作者の中に取り込みます。
前者を『読ませる』とすると、
後者は『感じさせる』ものとなります。
読ませるためには、
文章自体の巧みさが必要となります。
感じさせるためには、
感情に訴える内容や言葉が必要となります。
ですから、読ませるタイプなら
『春の野原でごろごろする小熊ぐらい好きだ』
なんて表現がありえますが、
ケータイ小説では
『君のことが好きだ』
といった表現が好まれるのです。
それは、文字数の関係もありますけれど。
●読者層
文章とケータイ小説を比べる上で、
その比較対象として用いられるのが、
この読者層です。
ケータイ小説の読者は
中高生が圧倒的に多いという統計がでています。
実際、ケータイ小説ポータルサイト
『魔法のiらんど』は、
その利用のほとんどが中高生とのことです。
つまり、
あまり日本語文に親しんでいない人、です。
文章はどちらかというと大人向け、
日本語文に親しんでいる人向けであると言えます。
ですから、
巧みな文章構成や言葉が好まれるのが後者で、
感情的な言葉が好まれるのが前者である、
といえます。
■今挙げたのは理由のうちの一つにしかすぎません。
おそらくケータイ小説と文章は、
もっと多くの違いがあるでしょう。
ケータイ小説に
興味があって読んだことのない人、
ケータイ小説を書いてみたいという人は、
一度ケータイ小説を読んでみて、
その違いを比べてみてください。
案外面白いと思いますよ。
ケータイ小説デビューを目指す方は、
文章のつもりで書くのではなく、
あくまでケータイ小説を書く、
というつもりで書くといいでしょう。
簡単な言葉を使った文章=ケータイ小説
ではありません!
◇個人的な意見としては、
ケータイ小説は、
日本語を扱っていますけれど、
文章とはまた異なったものだと考えています。
プレイステーション2とたまごっちくらいの
違いがあるのではと思います。
それは性能の違いが、とかそういうのではありません。
対象としている層、
表現方法、
そのような点で違うのではないかと考えるのです。
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┃ <文章とケータイ小説>
┃
┃ ●ケータイ小説には、
┃ 文章と違った良さがある。
┃
┃ ●簡単な言葉を使った文章は
┃ ケータイ小説とはなり得ない。
┃
┃ ●文章を読むつもりで読むのではなく、
┃ あくまでケータイ小説を読むつもりで読む。
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