過去記事:はねまがVol.2

更新日:

■『HANEMAI MAGAZINE』通称『はねまが』は
 『 読んでいただいているすべての人を応援しよう 』
 というコンセプトのもと配信されているメールマガジンです。



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|| <久遠寺蒼の呟き>
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


■こんにちは、久遠寺蒼です。

 もう少しで9月ですね。
 中学時代や高校時代は、
 今くらいの時期から宿題をやっていたように思います。

 ……ダメじゃん!!



|| <今回のトピック>
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



 ◎ モチベーションについて(その2)
 ○ エッセイ『発見の視点』
 ○ 『卑怯な温もり』のお話



:----------------------------------------------------------:
   ◎モチベーションについて(その2)
:----------------------------------------------------------:


■前回、モチベーションをあげるには

 【 5つのステップ 】

 があることを紹介しました。

  ●明確な目標を持つ

  ●モチベーションを高める素材を見つける

  ●自信を持つ

  ●とにかく行動を起こす

  ●限界を知る


◇今回はこれらの事柄のうち、


  ●明確な目標を持つ

  ●モチベーションを高める素材を見つける

 について、
 一つずつ分かりやすく説明していこうと思います。



<<●明確な目標を持つ>>



■明確な目標を持つことは、

 モチベーションを高める上で
 【最も】重要なステップです。

 明確な目標無しでは、始まるものも始まりません。


◇学校の体育の時間、急に、

 『今日の授業はマラソンだ、とりあえず走れ!』

 とだけ先生に言われて、走っているとします。

 何km走ったら、何分走ったらいいか分からない。

 このような状況の中で、
 うまく走れると思いますか?

 自分の体力やペースを維持するのは、
 とても難しいと思います。

 走る気力も起きないでしょう。


 例えば、

  ●『来月の運動能力測定テストのために体力をつけよう』

  ●『10km完走できたら評価を1プラスしよう』

 なんて言われれば、

 やる気も起きるでしょうし、
 自分のペースで走り続けることができます。


■“明確な”目標とは、


 【 具体性のある 】目標のことです。


 ある程度具体的な目標ほど、
 頑張ろうとする意欲が沸きます。


◇例えば期日を加えるだけでも、
 ある程度具体的になります。

 ×『いつか一戸建ての家を持つ』

 ではなく、

 ○『30歳までに一戸建ての家をもつ』

 の方が具体的です。
 他にも、

 『10年以内に月収600万円になる』

 『卒業までに大手サークルになる』

 というように、
 期日を先頭に加えるだけでより具体的になります。

 これがおそらく、
 一番簡単で始めに考える具体性でしょう。


■目標をたてる際に、

 注意しなくてはいけない事柄を挙げてみましょう。

  ●想像力を働かせる。

  ●五感全てを駆使する。


◇目標とは、具体的なイメージです。

 それは全て【 視覚化する 】ことができます。

 その視覚化されたイメージに向かって、
 どんどん進みだすことになるわけです。


◇想像力を働かせることによって、
 茫然としたイメージを、

 より細かくしっかりとしたイメージ

 に変化させることができます。


◇視覚だけに留まらず、(家をイメージしてください)

  ●聴覚(鳥のさえずりが……)

  ●嗅覚(木の香り漂う……)

  ●触覚(さわり心地のいい……)

  ●味覚(澄んだ味のする空気……)

 も活用するとより具体的になります。

 この例でいくと、
 自然の中のウッドハウスのようなものを
 想像された方も多いかもしれませんね。


◇想像力を働かせるのに、

 有効な手段をご紹介します。
 私自身もよくやり、効果大なのでオススメです。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃  【 自由連想テクニック 】              
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┃ ●白紙のノートやメモ帳を用意します。
┃
┃ ●目指そうとする目標の
┃  簡単な概略を記します。
┃
┃ ●その言葉に対するメタファーや
┃  関連する語句を思いつくまま書いていきます。
┃
┃ ●使えそうな語句、インパクトのある単語
┃  を線で結んでみます。
┃
┃ ●そこからさらにまた連想させて
┃  書き連ねていきます。
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 これを繰り返すことによって、
 自分のイマジネーションをフルに使うことができます。


 例えば、
 『いつか家を持つ』
 という目標について、
 イマジネーションを働かせてみます。

  ●とにかく広くて大きい家

  ●夢のような感じ

  ●ヘンゼルとグレーテル

  ●残酷童話

  ●お菓子と家ば不二家

  ●カントリーマァム

  ●子供の頃好きだったお菓子

  ●小学校の近くにあった赤い屋根の綺麗な家

  ●ちびまる子ちゃん

 のように。
 固定概念に囚われず、
 適当にのびのびと書いていくのがポイントです。

 ・書くという行為、
 ・書いてある語句を見るという行為

 が、想像力を働かせる手助けをしてくれます。


■具体的な目標が定まったら、

 それが有効かどうかテストしてみるのも大事です。

  ●本当にうまくいきそうかどうか、

  ●どのような手順を踏んでいけば、
   その目標に到達できそうか

 シュミレートしてみましょう。
 うまくシュミレートできなかったり、
 何度やっても失敗してしまいそうであれば、

 もう一度目標のたて直しをしてみましょう。


◇また、目標に向かって進んでいる間にも、
 絶えず目標を再確認することも重要です。

  ●今の作業が目標とずれていないか、

  ●ずれていたらどうやって修正するか

 を考えていきましょう。



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━はねまが━━━
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃                              
┃ <明確な目標を持つ>                   
┃                              
┃   ●明確な目標とは、                 
┃       具体性のある目標のことである。          
┃                              
┃   ●具体的な目標は視覚化することができ、       
┃    五感を使った想像力を働かせるとたてやすい。     
┃                              
┃   ●具体的な目標が定まったら、                  
┃    絶えず目標を再確認することが重要である。     
┃                              
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



<<●モチベーションを高める素材を見つける>>



■明確な目標、説得力のある目標をもったら、

 次にモチベーションを高める素材を見つけます。


◇ドライブで言うと、

 目的地が定まったので、
 車のエンジンをかける段階です。


■素材はどんなものでもいいです。

 その素材は、
 他人に言ったり
 公開するようなものではないからです。


◇最初は不純な素材でも構いません。

 素材は固定のものではないからです。
 後から素材が変わる、なんてよくあることです。


◇たまに、

 『そんな不純な動機で私を好きになったの?!』

 と怒る人を見かけますが、

 後々、純粋な感情が芽生えたなら、
 それはそれでいいような気がします。
 一緒にいた時間は楽しかったんでしょうし。

 私だけでしょうか?
 ご意見お待ちしております(笑)


■モチベーションを高めること、

 それは自分を奮い立たせることです。


◇自分を奮い立たせること、

 それはお金を手に入れること

 ……と考えがちですが、


 【 必ずしもそうではありません。 】


 むしろ金だけで留まる人は少ないようです。


◇自分を奮い立たせる素材は、

 一つとは限りません。

 様々な要因が、
 モチベーションの起爆剤となりえるのです。


■起爆剤となりえる素材を、

 個人的見解を交えながら、
 いくつか紹介したいと思います。


  ●金

  ●権力・名声

  ●人間関係

  ●嫉妬・ライバル意識

  ●プライド

  ●義務感・信仰心・愛国心


■お金に関しては、

 必要条件である場合は多いですが、

 十分条件になることはほとんどありません。

 必要な報酬以上に乗せたとしても、
 その余剰部分は、
 モチベーションの起爆剤とはなりえません。


■権力・名声

 創作活動をしている人は、

 おそらくこの素材を起爆剤にしている人が
 多いような気がします。

 誰しもが少なからず
 手に入れたいと考えているのではないでしょうか。

  ●他の人に対して影響力のある人間になりたい。

  ●成功して友人に『すごい』と認められたい。

 などといった素材が
 多いと思われます。

◇ただし、権力欲や支配欲が強すぎるのは

  ×スタンドプレーに走ったり、

  ×自己中心的になりがち

 なので注意が必要です。


■人間関係に関しては、

 男←→女

 の関係が多いように思います。

  ●成功して、女性にちやほやされたい。

  ●この作品をうまく描いて、あの人に振り向いてもらいたい。

 どこか思い当たる点はありませんか?
 意識が強すぎると、
 仲間の異性からどう思われるか……。

 あまり強く顕示しないようにしましょう(笑)


◇また、他の素材とも重なりますが、

 家族関係

 もこの中に含めることができるでしょう。

  ●100点をとって、母親を喜ばせたい。

  ●100点をとって、父親をびっくりさせたい。


■嫉妬・ライバル意識は似ていますが、

 コインの表裏

 のような違いがあります。


◇嫉妬は、

  ●あいつの成功を、俺も手に入れたい。

  ●あいつ、成功しやがって……俺だって!

 という感情を起爆剤にします。


◇ライバル意識は

  ●あいつが成功したのなら、自分も成功してやる。

  ●あいつが頑張っているなら、俺だって頑張らないと!

 という感情を起爆剤にします。


◇誰かを対象とする点は同じですが、
 そこに抱く感情は正負の関係です。

 自分のモチベーションスタイルにあった方を
 選択しましょう。

 ネガティブになりやすい方や
 ネガティブ状態の方は、
 ライバル意識にするように努めると、
 いい結果がでるかもしれません。


■プライドは、俗に言う

 こんちくしょー精神

 のことです。
 逆境にたたされたからこそ、
 自分を奮い立たせようとします。

  ●絶対できない? やってやろうじゃないか!

 という感情を起爆剤にします。


◇マンネリになった恋人と
 ジェットコースターに乗ると、

 そのドキドキを恋愛の感情と勘違いして
 長続きする、という話を聞いたことがあります。

 こんちくしょー精神と似てるな、
 と思って書いてみましたが、

 全然似ていませんでした(とほほ……)


■義務感・信仰心・愛国心は、

 自分の中だけではない、
 他者から加えられる

 絶対的原動力

 を起爆剤にします。

  ●私は一家の大黒柱だから、家族のために……。

  ●イエス様が仰っていたので、私も……。

  ●我が国のため、天皇陛下のために……。

 という感情です。


◇絶対的であるが故に、
 気をつけないといけないことがあります。

 それは、
 言い訳にならないようにする、
 ということです。

  ●家族のために、しょうがなく……。

  ●イエス様が言っていたから、仕方なく……。

 というように。


■他にもいろいろな素材があります。

 自分にとって一番の素材は何か、
 じっくりと探してみてください。


◇また、

 素材を見つけたら、
 それを糧にすぐ、

 やらなければならないことを見つけ、
 行動に移しましょう。

 一つ一つ素材の効力は
 長く続かない場合もありますから。



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━はねまが━━━
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃                              
┃ <モチベーションを高める素材を見つける>         
┃                              
┃   ●モチベーションを高めることは、          
┃       自分を奮い立たせることである。          
┃                              
┃   ●モチベーションを高める素材は金だけではなく、   
┃    また一つの素材だけに留まらない。          
┃                              
┃   ●素材を発見したらすぐに、                   
┃    目標に向かってすすみはじめるのが重要である。   
┃                              
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



■残りの3つのステップは、
 次回紹介したいと思います。


【参考図書】

  駆け出しマネージャーアレックスのモチベーションに挑む

     ダイヤモンド社(版) マックス・ランズバーグ(著)



:----------------------------------------------------------:
   ○エッセイ『発見の視点』
:----------------------------------------------------------:



■よく口にする言葉は『普通にはなりたくない』

 よく言われるのが『オリジナリティ』

 面白くするためには『人とは違う工夫をしろ』


■きっとどこかで聞いたことのある言葉だと思う。

 でもちょっと考えてみると浮かんでくるのが


  『オリジナリティって何?』
  『人とは違う工夫ってどうやればいいの?』


 聞き返してみても、
 答えられる人は少ない。
 もしくは『普通』でありきたりな返答がかえってくる。

 それじゃあ説得力も信憑性もあったものじゃない。


■こんなことを書くと、

 じゃあすごく非凡なことがエッセイに書かれているんだろうな、

 と思われるのでは、とびくびくしてしまうので、
 別に特別なことを書こうと思っているわけじゃないことを
 先に告白したい。

 ごめんね。


◇人とは違う工夫をしたい、
 こんな時には『発見の視点』があると有効かもしれない。


■私は、

 『なんか変わってるよね』

 『変なところに気がつくよね』

 『みんなが忘れてるようなことを覚えているよね』

 とよく言われる。
 私にとってそれはこの上ない褒め言葉だ。
 嬉しいんだよね、そう思われるの。


◇だからと言って、特別に何かをしているわけではない。

 大衆の中で裸踊りをするわけではないし、

 すっごい斜に構えた意見を言うわけでもないし、

 人の嫌な部分をチクチク覚えてて
 後になって言うわけでもない。


■人と変わっている、

 これはあからさまに人と違うことをする必要は
 かならずしもない。

 ちょっとした違い、微妙な差異、
 このくらいのことで人は違うなという印象を持つものである。

 そしてそれは時に褒められ、時に嫌悪される。

◇TPOをわきまえないと、
 それがいじめの原因になったり、
 失敗の元になるから注意しなくてはいけない。


■私はいつも頭の隅に置いてある事柄が二つある。

 一つは
 【 ある事象に関して複数の意見を求めようとすること 】

 もう一つは
 【 些細なことに喜びを見出そうとすること 】

 である。

 これだけでも、
 おそらく人とは違うねと言われやすくかもしれないと、
 勝手ながらに思っている。


■例えば誰とでも仲良くなる人がいるとする。

 Aさんは彼のことを
 『社交性のある人だ』と言う。

 Bさんは
 『八方美人で気に食わない』と言う。


◇一つの事象に対して、
 様々な意見がそこに交わされる。

 『人集まるところに政治は生まれる』
 という言葉があるように、
 人がいれば
 その分だけいろんな意見が出てくるもの。


◇その中のある
 一遍の意見のみを取り入れて、
 他を排除するような考え方は、

 おそらく【 損 】だと思う。

  ▽視野も心も狭くなる。

  ▽必要な知識や情報を取捨選択する能力が養われない。

  ▽柔軟性も失われかねない。

  ▼誰かと同じ意見に留まる可能性もある。

  これは危険だ。


◇逆に様々な意見を取り入れようとしてみよう。

 情報が多すぎて混乱してしまうかもしれないが、
 それを乗り越えたらこっちのもの。

  ▽いろんな意見を持つ人がいることを知ることができる。

  ▽そこから人脈がうまれるかもしれない。


  ▼何よりもそこから
   『自分だけの意見』
   というものを作りやすくなる。


  ▽極端な意見の折衷案を見出すことができる。

  ▽客観的な思考から
   まったく別の意見をひねりだすこともできる。


 ここに、


 【 ちょっとした差異を生み出すこと 】


 ができる。


■また、そうしたことをしていくと、
 いろんな情報を集めるのが楽しくなってくる。

 そして、積極的に
 別の意見や些細な違いを見つけようとするようになる。

 平凡だと思っていた風景の、
 昨日とちょっとだけ違うワンポイント、
 こういうのを見つけやすくなる。


◇それに喜びを見出したらしめたもの。

  ●自分から進んで些細なものを見つけ出そうとする。

  ●頭も使うから記憶力も少しは培われる。

  ●皆が忘れているようなことを覚えている。

 こんなこともできるようになるのだ。


■今挙げた例は、

 全て『視点』がまず重要になってくる。

 Aさん側からの視点なのか。
 Bさん側からの視点なのか。
 はたまたまったく違うCさんや自分の視点なのか。

 今自分がどの視点に立っているのか、
 それをその場その場で客観的に考える。

 これがすなわち人とは違うことに繋がってくる。

 客観的に視点について考えると、
 他との差異について考えるようになる。


◇もちろん違わなくてもいい。
 それは今の自分の立場なのだから。

 無理に自分の意見からまでも違うようにする必要はない。

  ●矛盾が生じる可能性がある。

  ●どこか悲しくなってくるかもしれない。


◇私の場合、

 いったいどれが自分の選んだ意見なのか分からなくなり、

 自分の意見に対して自信が無くなった覚えがある。


■この視点、

 これが『発見の視点』である。

 発見の視点があると、
 些細な違いや皆が気づかなそうなことを
 見つけることができるようになる。

 そして発見の視点を手に入れるには、
 いろいろな意見を取り入れることが有効なのである。


■発見の視点を利用すると、

 例えば小説の地の文で風を描写する際に、
 人とは違った表現ができるようになるかもしれない。

  ●『風が静かに去っていった』

 なんてのは誰もがよく使うけれど、

  ●『街の喧騒を空に還しながら、風が静かに去っていった』

 なんて表現ができるようになるし、

  ●『さらさらとした風が静かに去っていった』

 なんて言い得て妙なおのまとぺを使うことができるようになる。


◇人とはちょっと違うようになりたい、
 それに発見の視点を利用してみてはいかがだろうか。


※勘違いしてほしくないので補足するが、

 視点のみが重要ではない。

 視点さえあれば他との差異がうまれるわけではない。


 あくまで視点は
 差異に繋がるスタート地点であり起爆剤である。

 視点だけに囚われて考えすぎると、

 逆にマイナス効果になってしまう

 場合があるので注意が必要だ。


■また余談ではあるが、
 人と違うことをする際に注意して欲しいのが

 【 常軌を逸しない】

 ことである。

 基本やスタンダートなことを、
 自分なりにちょっとアレンジする程度が一番いい。

 あまりにハメをはずしすぎるとびっくりさせてしまうし、
 人から反感を買いやすくなる恐れがある。


◇と先日、母が私に諭してくれた。

 茶道の話をしている時であった。

 友人通しを呼んでお茶会をする場合、
 くだけた感じでお茶会をすることもできると言い、

 その人なりにどうアレンジをするのかを
 楽しむのも一つの趣らしい。

 そこで魅せるには、
 基本部分がしっかりとしていることが必要で、
 その部分を外してしまうとがっかりさせてしまうそうだ。


 お茶の世界でも創作の世界でも、
 どんなものにでも通用する注意点のようである。



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━はねまが━━━
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃                              
┃ <『発見の視点』>                    
┃                              
┃   ●人とはちょっと違う差異を作り出したい時、     
┃       発見の視点を持っていると有効である。       
┃                              
┃   ●発見の視点を養うためには             
┃    偏らない意見を広く集めて考えるのが良い。     
┃                              
┃   ●基本やスタンダートをアレンジした程度の            
┃    差異でも十分効果はある。             
┃                              
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



:----------------------------------------------------------:
   ○『卑怯な温もり』の話
:----------------------------------------------------------:



■実はあれ、ノンフィクションなんです!!



















 という冗談はおいておいて。


■先日の8月21日、

 最新作サウンドノベル


 『卑怯な温もり』


 を公開いたしました!!

 すでにプレイしていただいた人もいるかと思います。
 まだプレイされていない方は、
 ぜひプレイしてみてくださいね!!


◇今回は、

 その『卑怯な温もり』を
 制作するにあたっての

 【 丸秘情報 】

 なんかをご紹介したいと思います。

 ネタばれは無しの方向でいきたいと思います!


■余談その1

 私は作品をつくる際、

 結構いろいろなものに影響されて、
 書いたりしています。

 (影響をうけるのと、
  盗作、パクりは違う意味ですので、ご注意を)


◇最近書いたものでは、

 嶽本のばらさん

 の作風にヒントを得て書いてみたりしています。


■実は今作品、岩井俊二監督の

 『リリイシュシュのすべて』

 に多大な影響を受けています。

 シナリオ構成や作風、というより、

 【 表現方法 】

 において影響を受けました。


◇この表現方法とは、

  ▽この場面で画面を揺らす

  ▽このタイミングで音楽をいれる

 ような事柄だけではありません。


◇主人公の内面・考えを表すのは、

  ・文章の描き方

  ・効果音の入れ方

  ・音楽の選曲

 以外にもたくさんあります。

 私が今回、一番影響を受けたのは、

 【 主人公の行動 】

 です。


◇もちろん、原作に沿った
 考えや行動を起こさせる必要があります。

 また、その行動に移させるために、
 伏線をはることも重要です。


◇しかし上記のことは、

 文章全体の、
 およそ10~20%

 にしかすぎません。
 もしかしたら5%程度になることもあります。

 残りの部分は、
 設定の段階から、執筆者に委ねられるのです。


◇私はこの残りの部分を、

 しっかりと具体的に描く

 ことに集中しました。

 プレイした人は感じたと思います。
 やけにリアリティがあるな、と。

 実際、何人かの方から、
 『これって本当は実話でしょ?』
 と言われたりしています。


◇これは、実は私の弱点でもあったりしたのです。
 風景描写は巧みだけれど人物描写はもう少し。

 だから今回はその部分を
 補うような形で試行錯誤してみました。

 いかがだったでしょうか?


■余談その2

 リアリティある作品と言っているにも関わらず、
 物語の背景に使われている写真、

 あれは使われているシーンと撮影場所は
 別々のところだったりします(笑)


◇町田の街のシーンで使われている街路樹、

 あれは千葉の成田周辺だったりします。

 大学近くのBARで使われている店内風景、

 あれは私の家の近くのBARだったりします。


◇本当は町田まで行って、
 写真を撮りたかったのですが、

 なにぶんその手間と時間とお金を
 かける余裕が無かったもので。(とほほ……)



 騙されてたでしょ?(こらー)


■余談その3

 小林ワッカくんの本名、
 実は設定があったりします。

 彼の本当の名前は、

 小林 亘(こばやし わたる)

 なのです!!


 物語中には一切出てこないですけどね。


 彼は高校生の時に
 バンドを組んで活動をしており、
 その際に使用していた名前が
 『ワッカ』だったというわけです。

 ちなみにこのバンドは
 他にボーカルとベースとドラムがいて、

  ・ボーカル:ライ(角田 彰)
  ・ベース:辰巳(真壁 憲太)
  ・ドラム:Rule(氷上 隆一郎)

 という名前だった、という設定もあったりします。


 物語中には一切出てこないですがね。


■余談その4

 『ホタルの彼女ってどういう人ー?』

 という質問がきました(笑)
 これに関してはあまり設定がありません。

 設定があったら、
 たぶん続編みたいにして
 書いていると思います(笑)

 物語を盛り上げる一員として、
 ちろっとだけ登場させたに過ぎないのです。

 (これは岩井俊二監督はまったく関係ありません)


◇なぜ登場させたのかというと、

 これは物語の時間軸や視野を、
 二次元で終わらせたくなかったからです。

 つまり、

 物語の後ろには過去があって、
 物語の前には未来がある。

 この当たり前のようで、
 『作品』になると忘れられてしまいがちな
 ファクターをうっすらと投げたかったのです。


◇なぜなら、

 『卑怯な温もり』の重要な点として、

 連続する時間の中における、
 小林ワッカの心情の移り変わりと行動

 が一つ挙げられるからです。


◇読者は、

 小林ワッカの生きている
 時間軸の途中から垣間見ているにすぎません。

 生まれた時から見ているわけじゃない。

 だからそこには、
 読者の知らない小林ワッカがいるはずなのです。

 これはおそらく、
 読者に不親切な表現ととられるでしょう。

 しかし、それでも表現したかったのです。

 そして考えてほしい。
 この表現がもたらす効果と、
 投げかけている問いに。


◇リクエストがあったら、
 アフターストーリーみたいな形で
 何かに収録したいと思います(笑)

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